多田建設株式会社 代表取締役常務
福島県福島市鎌田字中森山1-1
TEL 024-535-6161
亀岡 隆 (Kameoka Takashi)
第2回「ボーリングの匠」は福島県にあります、多田建設株式会社の亀岡さんをご紹介します!
多田建設は福島市を代表する建設会社のひとつであり、下水道を中心とした推進工事も得意としています。
今回は、その推進工事のエキスパートともいえる亀岡さんを、「多田建設」と「オーケーモール協会(※1)」の歴史とともに振り返りながらご紹介していきたいと思います。
昭和30年代初め、自社で製作したロードローラを導入し、その後いち早く最新機械を取り入れ、県内各地の道路舗装工事を中心に施工。その後、昭和50年代に入ると、本格的に下水道推進工事にも着手し、平成17年度には延べ推進施工延長100kmの偉業を達成しております。
その当時の推進工は刃口推進しか普及しておらず、人力掘削で推進するのが一般的でした。
推進路線には薬液注入を行い、地盤改良を施してからの掘削施工が主流のなかで、「下水道対応」でかつ「玉石地層対応」の機械が求められるようになってきました。そこで、これまでにパイプルーフ工事(※2)で使用していたマシンを改良し、パワーレンチやターゲットを装着することで、このような厳しい環境のなかでも適格な方向修正を可能にしています。
昭和56年9月にオーケーモール協会(当時7社)が立ち上がるわけですが、以降、施工のなかで試作・改造を繰り返しながら、この工法のかたちが確立していきます。
そしてこういった時代の中心におられたのが亀岡さんでした。
当時は毎日深夜遅くまで仕事をしていたそうですが、きついと感じたことはあまりないそうです。出前のラーメンを立坑の中で食べたなんてことも。
ビットひとつとっても、微妙な調整が必要であり、時には現場の土質に合わせて自分で製作したりするそうです。また、試行錯誤を重ねながら実験も繰り返し行い、「理論と実証」できちんと裏付けをとることも忘れません。
とにかく、大切なのは「向上心」とのこと。
記 者:特に苦労されたお仕事などはございますか?
亀岡さん:苦労した工事をあげるとすれば、下水道工事で既設のマンホールに向かって岩盤層を90m近く推進したことでしょうか。また90mのパイプルーフ工なんていうのもありますよ。
記 者:お仕事のなかで常に心がけていることは?
亀岡さん:柱状図などの土質情報を鵜呑みにせず、自分の目で確認しながら現場に乗り込むことです。何事も早め早めの対応で、常に向上心をもってやることです。
記 者:本日は取材のご協力ありがとうございました!
(※1)オーケーモール協会
総ての地盤を機械推進する配管システム。
各種の掘削ビットを利用して、鋼管を地中に埋設し、その鋼管の内空を利用する方式。社会整備基盤である上水道・下水道・ガス・電気・通信等のライフラインにサヤ管を利用する。また、これらライフラインの計画精度を保つため、地中内の許容範囲に埋設するように方向修正機能をもっている工法である。TH-200型推進機を標準機としてTH-300、さらにはTH-100、TH-50(ミニモール)の開発でサヤ管工法に求められるあらゆる要望に応えられる体制となっております。現在、全国7支部、会員50余社により運営。
(※2)パイプルーフ工法
既設の建物や道路の下部に、トンネル構造物を建設するためのアンダーピニングとして、パイプ(鋼管)を本体構造物の外周に沿って、等間隔にアーチ状または柱列状に打設し、ルーフや壁を作る工法。