旭土質調査株式会社 代表取締役
広島県西区山手町14番6号
TEL 082-292-2860
糸野 省三 (Itono Shozo)
「ボーリングの匠」第17回は、広島県にあります、旭土質調査株式会社の糸野さんをご紹介します!
旭土質調査さんは、地質調査を専門とし、中国・四国・九州地方を中心にお仕事をされています。
ボーリング暦34年の糸野さんですが、その前は6年ほど設計の仕事をされていたそうです。
ボーリングというのは特殊な技術。
早い時期から習っておかないと、ボーリング業というのは本当に難しい。
単純な仕事のようでも未経験者がすぐに出来るようなものではないのです。
実際にそこに孔を掘り、分析・評価するのが地質調査。
この作業そのものは今も昔も変わりませんが、単価等の労働条件は年々厳しくなってきています。
新しい担い手を育てる環境を整えるためにも、ここを改善していかなければなりません。
また、何をさしおいても安全が第一ですよ。最優先はケガをしないことです。
技術的なことは、皆こだわりを持って仕事をしていますから、ほとんど心配していません。
ただ、事故だけは絶対にあってはならないのです。
結果として、本人だけでなく、多くの方に迷惑がかかります。
なので、仕事に出かける時は、「いってらっしゃい」よりも「とにかく気をつけて!」と声を掛けることが多いです。
と糸野さん。
これからもお体に気をつけて頑張ってください!
記 者:これまでに苦労されたお仕事はございますか?
糸野さん:正直なところ、苦労した現場というのはありません。
正確には、現場作業はとても楽しいものだと思っていますので、
どちらかといえば、ストレス解消に役立っているくらいです。
もちろん、仕事に出る時は、必ず現場の地層などの情報収集をして準備をします。
それでも簡単にいくことの方が少ないのですが、やはり難しい時の方が楽しいです。
逆に、予想通りに終わってしまうと拍子抜けしてしまいます。
記 者:また、仕事のなかでいつも心掛けていることはございますか?
糸野さん:先ほども述べましたが、やはり安全第一です。
大きな機械でも小さな機械でも危険の度合いは同じ。
ボーリングマシンでの作業は常に危険と隣合わせなのです。
巻き込まれ・挟まれ、モンケン(※1)等の落下など、常に細心の注意が必要です。
例えば、水平ボーリングなどは危険な作業になります。
ついつい、ロッドの下などをくぐってしまいたくなるのですが、
回転しているロッドに巻き込まれて大ケガをする人がとても多いのです。
たまに、ウチの若手からやらせてくれと言われることがあります。
これも経験なので仕方ありませんが、やはり心配でしょうがありませんね。
回転カバーを開くと自動的に停止するとか、そういう装置でもつけてもらえれば安心です。
記 者:。メーカーとしても安全ということに対しては常に考えていかなければなりませんね。
本日は取材のご協力ありがとうございました!
(※1)モンケン
標準貫入試験で用いるドライブハンマーを通称モンケンという。
本試験は、あらかじめ所定の深度まで掘進したボーリング孔を利用して行われる。
質量63.5kg±0.5kgのモンケンを76cm±1cmの高さから自由落下させて、ボーリングロッド頭部に取り付けられた
ノッキングヘッドを打撃し、ボーリングロッド先端の標準貫入試験用サンプラーを規定貫入量である30cm
打ち込むのに要する打撃回数(=N値)を求める。
15㎝の前打ち、30㎝の本打ちを行って本打ち30㎝の打撃回数をN値として測定する。
本打ちで30㎝に至るまでに最大打撃回数50回に達した場合は、N値50以上とする。
N値を用いて、地盤の硬さや締まりの程度を評価したり、
各種の試験値に換算されて、設計や施工に利用されている。
地盤の硬さ・軟らかさを原位置で測定するもので、最も多く行われている試験。